
シンガポールで働くには?必要な就労ビザや求人の探し方などを解説
シンガポールで働くにあたって、就労ビザが取得できるのか、生活費と給与のバランスは取れるのかなど、さまざまな検討事項があります。現実的な不安感を解消するためには、事前の情報収集が欠かせません。
本記事では、シンガポールで働く方法について詳しく解説します。就労の際に必要なビザや求人の探し方など、手続きの情報についてもまとめました。
また、シンガポールで働くメリットと注意点も解説するので、ぜひ参考にしてください。
※本記事の日本円換算は、2025年12月の為替レートを参考に、1シンガポールドル=120円で計算しています。為替レートは変動するため、都度ご確認ください。
目次
シンガポールで働く3つの方法
まずは、シンガポールで働く3つの方法をご紹介します。
- 現地の企業へ就職する
- 海外駐在員として働く
- インターンシップを活用する
現地の企業へ就職する
シンガポールで働くには、現地の企業へ直接就職または転職する方法があります。
シンガポールの現地採用求人に応募したり、海外赴任で働いた後に転職したりするなどのルートが一般的です。
一方で、シンガポールでは外国人に対する就労ビザの申請条件が厳しくなっている傾向にあります。
海外駐在員として働く
日本の本社に在籍したまま、シンガポール拠点へ派遣される駐在員という働き方もあります。
海外駐在員の場合、日本と同程度の給与水準をもらいつつ、手厚い海外赴任手当や福利厚生などが受けられます。たとえば、現地の家賃や医療補助などを受けられる可能性があります。
ただし、海外駐在は会社の人事異動の一環です。そのため、あくまでも採用・配置は本社での判断となり、渡航の時期や期間、具体的な業務内容を自分でコントロールしにくい点に注意しましょう。
インターンシップを活用する
対象年齢の範囲に含まれていれば、インターンシップ制度を活用するのもおすすめです。
20代の若手や学生、あるいは未経験の業界へキャリアチェンジを検討している層にとって、いきなり難易度の高いエンプロイメントパス(Employment Pass:EP)を狙うのはハードルが高いといえます。
若手向けのワークホリデーパス(Work Holiday Pass)や研修生を対象としたビザを利用することで、比較的スムーズに入国し、期間限定で就労経験を積むことが可能です。
将来的な本採用や、正規の現地採用へのステップアップとして活用するとよいでしょう。
シンガポールで働く人やその家族に関連するビザ
ここからは、シンガポールで働く人やその家族に関連するビザを紹介します。
主なビザは、以下の6つです。
- エンプロイメントパス(Employment Pass)
- Sパス(S Pass)
- テックパス(Tech. Pass)
- トレーニング・エンプロイメント・パス(Training Employment Pass)
- ディペンダントパス(Dependant’s Pass)
- ロングタームビジットパス/ロングタームビジットパスプラス(LTVP/LTVP+)
シンガポールの就労ビザについて、全体像を把握したい方は下記の記事もあわせてご覧ください。
エンプロイメントパス(Employment Pass:EP)
Employment Pass(EP)は、主に管理職や専門職を対象としており、年齢ごとに定められているEP minimum qualifying salaryという、最低月額固定給の条件を満たす必要があります。
また、ポイント制審査のCOMPASSで40ポイント以上を獲得することが、取得条件です。審査の際には、給与額に加え、学歴や採用企業の国籍多様性などが総合的に評価されます。
Sパス(S Pass)
Sパス(S Pass)は、一般職や技術者向けの就労ビザのことです。
Sパスの取得条件として、EPと同様にS Pass minimum qualifying salaryという、最低月額固定給を満たす必要があります。ただし、EPよりも金額が低めに設定されているのが特徴です。
EPとは異なり、企業ごとの外国人雇用枠(Quota)が存在し、雇用税(Levy)の支払いが雇用主に義務付けられています。
テックパス(Tech. Pass)
テックパス(Tech. Pass)は、世界トップレベルのIT・テクノロジー人材をシンガポールに集めるために誕生した就労ビザです。
通常のEPとは異なり、特定の雇用主に紐づかないことが最大の特徴です。
テックパスを取得すると、シンガポール国内で自由に起業したり、複数の企業の取締役や顧問を兼務したり、大学で講義を行ったりと柔軟な働き方が可能になります。
2021年1月に申請がはじまり、シンガポール経済開発庁(EDB)が発行する、比較的新しい就労ビザです。
トレーニング・エンプロイメント・パス(Training Employment Pass)
トレーニング・エンプロイメント・パス(Training Employment Pass)は、実務研修生や学生を対象とした短期間の就労ビザです。有効期間は最大3か月で、更新はできません。
EPやSパスほど高額な給与水準は求められないものの、海外拠点からの研修生として固定月給3,000シンガポールドル(約36万円)以上を受け取ること、または政府が認定する教育機関の学生であれば申請が可能です。
ディペンダントパス(Dependant’s Pass)
ディペンダントパス(Dependant’s Pass)とは、EPやSパス保持者の配偶者、および21歳未満の子どもに発行される、帯同家族用のビザのことです。
駐在員や現地採用者の家族がシンガポールで一緒に暮らすために必須のパスですが、配偶者が現地で働きたいと考えている場合には注意が必要です。
ディペンデントパスを保持している方が現地で働くためには、新たに就業先企業でEP、Sパスまたはワークパミット(Work Permit)を取得するなどの対応が必要になります。(一部、事業主として一定要件を満たす場合は、労働許可のひとつであるLOCでの就労継続が認められる例外あり)
ロングタームビジットパス/ロングタームビジットパスプラス(LTVP/LTVP+)
ロングタームビジットパス/ロングタームビジットパスプラス(LTVP/LTVP+)は、主にシンガポール国籍者や永住権(PR)保持者の配偶者、あるいはEP保持者の両親や内縁のパートナーなどが、長期滞在するために発行されるビザです。
なかでも、シンガポール人やPR保持者と結婚した配偶者を対象とするLTVP+は、LOCを取得するだけで就労が可能となり、就労に関して大きなメリットを持っています。
シンガポールの求人を探す方法
シンガポールで働くために必要な就労ビザの種類がわかったところで、具体的な求人の探し方に触れていきます。
シンガポールで求人を探す方法は、主に以下の3つです。
- 知人や先輩からの紹介
- 転職エージェント(人材紹介会社)
- 求人媒体からの応募
知人や先輩からの紹介
シンガポール就職において、内定率が高く、選考プロセスを大幅に短縮できるルートが知人や先輩からの紹介です。
シンガポールでは、全く接点のない応募者よりも、信頼できる社員や業界関係者からの推薦がある人材を優先的に面接へ呼ぶ文化があります。
とくに、転職市場に公募される前の非公開求人や、欠員による急募案件は、まず内部のネットワークを通じて打診される傾向があるのが特徴です。
コミュニティを通じて求人情報を得られれば、競争相手がほとんどいない状態で内定を獲得できる可能性もあります。
転職エージェント(人材紹介会社)
自身のスキルやキャリアから仕事を見つけたい方は、転職エージェントを活用するのがおすすめです。
経験豊富なエージェントであれば、求人に応募する前にポジションと年収条件から、就労ビザを取得できるかどうかを客観的に判断してくれます。
日系の大手エージェントだけでなく、ハイクラス求人に強い外資系エージェントなど、特徴の異なる数社に登録し、自分の市場価値を多角的に評価してもらうことが失敗の少ない転職活動につながるでしょう。
求人媒体からの応募
シンガポールで求人を探す場合、現地向け・日本人向けの求人媒体を活用する方法もあります。
求人媒体であれば、業界や職種、雇用形態で絞り込みができ、最新の求人情報を効率よく比較できます。
とくにビザ条件や語学要件など、海外就職特有の情報が明記されている点も安心です。
PASONAでは、シンガポール求人をはじめ、タイやベトナムなどのASEANでの求人情報を多数掲載しています。
はじめての海外転職でも、スムーズに進められる環境を整えているため、ぜひご活用ください。
シンガポールで働くメリット
シンガポールでの求人の探し方が見えてきたところで、具体的な働くメリットをまとめました。
シンガポールで働くメリットは、主に以下の3つです。
- 比較的治安がよい
- 東南アジアのハブ拠点として成長している
- 女性が活躍しやすい
比較的治安がよい
シンガポールは、世界のなかでも治安のよい国といわれています
はじめて海外での就労を検討している方や、小さな子どもを連れて移住する場合でも、心理的な負担を感じにくいでしょう。
また、治安だけでなく衛生面での水準も高く、水道水がそのまま飲める数少ないアジアの国のひとつです。医療レベルについても、アジアトップレベルの水準といわれています。
東南アジアのハブ拠点として成長している
シンガポールは、東南アジアにおけるビジネスと金融の拠点として成長を続けています。
多くのグローバル企業や日系大手企業が、東南アジアやオセアニアを含む広域を管轄するアジア統括拠点(RHQ)をシンガポールに設置しています。
そのため、シンガポールで働くことは、アジア全域を見据えたスケールの大きなプロジェクトに関わるチャンスを得られるともいえるでしょう。
とくに金融、IT業界の成長は著しく、世界中から優秀な人材が集まっています。
女性が活躍しやすい
シンガポールは、女性がキャリアと家庭を両立し、長期的に活躍し続けるための社会基盤を整えています。
現場でも女性のマネージャーや管理職が多く、女性だからという差別を受けることも少ないでしょう。
また、シンガポールでは共働きが一般的であり、それを支える仕組みとして家事・育児のアウトソーシングが社会的に定着しています。
掃除や洗濯、子どもの送迎といった家事労働をプロに任せることで、女性もフルタイムの正社員や管理職として仕事に打ち込むことが可能です。
シンガポールで働く際の注意点
シンガポールで働くメリットは多くありますが、同時に注意点も存在します。
シンガポールで働く際の主な注意点は、以下の3つです。
- 物価が高い
- 日常会話レベル以上の英語力が求められる
- 職務経験・専門性が求められる
物価が高い
シンガポールで働く場合、給与水準も高いですが、物価も高い傾向にあります。
とくに家賃については日本よりも高く、都心部のコンドミニアム(1LDK)を借りる場合、月3,500〜5,000シンガポールドル(約42万円〜60万円)となる場合もあります。
現地採用の場合、1ユニットを一人で借りるのではなく、1部屋を間借りするルームシェアが一般的です。家賃は、1か月1,200〜1,800シンガポールドル程度です。
そのため、ちょっとした風邪で病院を受診する場合でも、私立病院であれば医療費が100シンガポールドル(約1万2,000円)以上〜と高額になる傾向にあります。
日常会話レベル以上の英語力が求められる
シンガポールで働く場合、仕事上における英語力は必須条件です。
求められるのは綺麗なネイティブ英語ではなく、多様なアクセントが飛び交うなかでの実践的なコミュニケーション能力です。
会議や顧客との交渉、必要に応じてドキュメント作成などを英語で即座に行う能力が求められます。
渡航前からオンライン英会話などを活用し、自分の専門分野や職務経歴について英語で流暢にプレゼンできるレベルまで準備しておくことが重要です。
職務経験・専門性が求められる
就労ビザの厳格化に伴い、シンガポール政府は現地の労働力を補完できる即戦力となる人材を海外から求めているため、職務経験がない方、少ない方にとってはハードルが高い国です。
営業や財務、ITなど、今までの経験やスキルを海外で活かしたい方にはチャンスがあります。
まとめ
シンガポールで働くことは、キャリアと年収を飛躍させる大きなチャンスですが、成功には戦略が必要です。
まずは、自分のキャリアが就労ビザの取得要件を満たしているかをチェックしたり、適切な求人を見つけたりすることからはじめましょう。
また、生活費を見据えた予算の確保は、渡航前に必ずクリアすべき課題です。
正しい情報と準備さえあれば、アジアのビジネスハブでの挑戦は決して不可能ではありません。確実な一歩を踏み出し、理想のキャリアを実現してください。
シンガポールでの求人をお探しの方は、下記のページもご覧ください。
シンガポールで働くためには、現地企業への就職や海外駐在員としての派遣、インターンシップ制度の活用などがあります。必要な就労ビザや求人の探し方、シンガポールで働くメリットや注意点などをまとめました。